省エネ住宅とZEHの違いとは?
最近、ZEH(ゼッチ)という言葉をよく耳にする方も多いと思います。このZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。省エネ性能を上げつつ、エネルギーを「創り出す」ことで消費エネルギー量の収支をプラスマイナスゼロにする住宅のことを指します。
ではこのZEHですが、省エネ住宅と何が違うのでしょうか?
■ZEHとは
ZEHは「高性能な住宅と効率的な設備による省エネ」と「太陽光発電による創エネ」を備えた住宅です。
消費エネルギーを削減するためには、断熱性能をアップさせて逃げてしまうエネルギーを抑えつつ、冷暖房などの効果も高めていきます。住宅の設備自体も消費電力が少ないものを使用して、少ない消費電力で最大の効果を発揮するようにします。
さらに、マイホームにおける電力の消費量を減らすため、HEMS(Home Energy Management Systemの略)を用いて、消費電力の見える化を行い、無駄な消費エネルギーを最低限に抑えます。
この省エネに併せて、太陽光発電などを活用して消費エネルギーよりも多くの発電を行ない、余った電気は売電したり蓄電池に貯めておくといった循環システムを構築する住宅がZEHの特徴です。
現在、日本は「エネルギー基本計画」において、一般家庭の住宅については2020年までにZEHの条件を満たした住宅を標準的な住宅とします。そして、2030年までに新築住宅全戸の平均でエネルギープラスマイナス0にするという目標を掲げています。
この背景には、地球温暖化ガス(CO2など)の排出量削減が地球規模での課題となっており、日本においても住宅の省エネルギー化は最重要課題のひとつと言われていることがあります。
■省エネ住宅とZEHの違いは?
それでは、従来から提案されている省エネ住宅とZEHは、どのような違いがあるのでしょうか。
基本的にZEHは省エネ住宅に含まれると考えて問題なく、一番の違いは基準の厳しさです。
従来型の省エネ住宅は「建築物省エネ法」に準じた住宅を施工することになるわけですが、この「建築物省エネ法」は建設する地域や日照条件等によって省エネに関する基準が異なります。
このため、場合によっては省エネ住宅とは呼べない住宅も省エネ住宅として施工されることがあります。
省エネ住宅を売り文句に営業している施工業者でマイホームを新築する場合、こういった省エネ基準をクリアしているかどうかをチェックしておきましょう。
特によく見ていただきたい項目は「断熱性能」です。「UA値」(外皮平均熱貫率)によって表されるもので、基準はエリアによって異なりますが、この値が小さいほど断熱性能が良いとされています。このほかにも、給湯器の省エネルギー効率、太陽光発電の発電量と変換効率などがチェック項目となります。
ただ省エネするだけではなく、消費するエネルギーより住宅でつくったエネルギーのほうが多い、もしくはプラスマイナスゼロになる住宅だけがZEHと呼べる住宅です。
■まとめ
ただエネルギーを節約するだけでなく、自分たちが使うエネルギーを作り、さらに余剰分を売ることもできるZEH。家庭にも環境にも優しく、場合によっては補助金がでることもあります。
将来の標準的な基準になることを見据えて、これから住宅を建てる方は候補に入れてみてはいかがでしょうか。